年齢高めで未経験なんだけど、経理に転職するのは無理かなぁ。。
やり方次第で、十分可能だよ!
自分も年齢高めで経理に転職したから、その経験をもとに解説するよ!
経理以外の職種で、一定のキャリアを積んだ後、未経験で経理への転職を考えている方の中には、
「実務経験が無いと難しいのでは、、、」
と不安を抱いている方も多いですよね。
実際、経理職の場合、40代前後になると即戦力が求められ、加えて経理部員のマネジメントを期待されることも多いため、転職の難易度が高くなることは事実です。
私も、30代後半になってから経理職への転向を志し、最終的に経理職に就くまでに、とても苦労しました。
しかし、適切な方法を取ることで、決して不可能ではないことを実感しました。若い方々に比べて、少々努力と時間が必要ですが、経理への転職を成功させる道筋は確実に存在します。
経理職への転職は難易度が高いだけに、やみくもに数多くの企業に応募するのではなく、しっかりとターゲットを絞り、戦略的に取り組むことが重要です。
そこで、本記事では、30代後半や、40代以上で未経験の方が、経理職への転職を成功させるための包括的な戦略として、以下のポイントについて解説します。
- 転職先の選び方(ターゲット設定)
- 実務経験の積み方・補い方
- 必要な資格・スキル
- 職務経歴書の書き方
- 面接対策(志望動機の伝え方)
- 転職エージェントの選び方
- 転職サイトの選び方
前述のとおり、私は30代後半から未経験で経理職への転職を目指し、無事に実現できました。
また、複数企業で管理部門の責任者を歴任し、12年以上にわたり、採用責任者としても、経理職を含む様々な人材の採用に携わってきました。
未経験での経理転職と採用責任者の両方を経験しているのは珍しい方なので、他の情報にはない独自の考え方や戦略をお伝えできると考えています。
本記事で紹介する戦略は、30代後半〜40代以上という年齢を踏まえ、以下をポイントとしています。
若い方々、特に20代〜30代前半の方でも、この戦略を参考にすることで、年齢に加えてさらに有利な条件を手に入れることができると思いますので、是非参考にしていただければと思います。
志望動機の明確化(40代前後からなぜ経理になりたいのか?)
経理職への転職を成功させるためには、まず
「なぜ経理になりたいのか?」
という志望動機を明確にすることが不可欠です。
経理職は未経験からの転職で難易度が高いため、転職活動中に
「なぜ目指していたのだろう?」
と迷いや不安が生じることもあります。
そのような時に、強い動機がなければ、途中でくじけてしまう可能性が高くなってしまいます。
転職活動における選考上の印象を考慮した「外向け」の志望動機の作り方については、後のセクションで解説しますが、ここでは「本音ベース」の動機をしっかりと持つことが大切です。
なぜなら、真に納得できる理由があれば、仮に何度も選考で不合格になったとしても、モチベーションを保ち、転職活動を続ける力となるからです。
志望動機としては、以下のような例が挙げられると思います。
経理職に就くことで、どのような未来を描いているのか、具体的に思い描くことが重要です。
是非、ご自身の志望動機を深く掘り下げ、納得のいく答えを見つけて頂ければと思います。
未経験・40代前後に最適な転職先の選び方(ターゲット設定)
未経験からの経理職への転職において、特に30代後半〜40代以上の方にとっては、最適な転職先として、「非上場のIT系中小企業(事業会社)」が挙げられます。
この他に、会計事務所(主に中小規模の税理士事務所)や大企業のアシスタントクラスに転職する方法もありますが、40代前後という年齢を踏まえると、お勧めの選択肢ではありません。
他の選択肢との比較については、下記記事で解説していますので、ご参考にして頂ければと思います。
以降では、非上場のIT系中小企業が最適である理由について、詳しく説明します。
なぜ非上場の中小企業なのか?
まず、非上場の中小企業、特に従業員数が多くても100人程度までの企業では、大企業ほど業務が分業化されておらず、個々の業務領域で、上場企業のような厳しいレベルが求められることも少ないです。
そのため、未経験者にとっては適度な業務レベルであり、スムーズに業務に馴染むことができます。
また、経理業務全般に幅広く関与できるため、実務経験を積むには理想的な環境です。
さらに、中小企業では、経理以外の業務も兼務することが多く、過去の他職務での経験が活かせるので、大いにアピールポイントとなります。
経理未経験者であっても即戦力として貢献できる場面が多く、企業側からの評価を得やすいです。
また、過去の職務経験が評価される場面が多いことから、給与面で大きな妥協を求められることが少なく、給与水準を維持、あるいは向上させることも可能です。そのため、経済的な不安を感じずに転職活動を進めることができます。
なぜIT系なのか?
では、なぜ「IT系企業(※)」が良い選択肢なのでしょうか?
(※)ここで言うIT系とは、銀行や官公庁向けの大規模システムを開発する「SIer」ではなく、インターネットを基盤としたWebやアプリのサービスを運営している、いわゆる「ITベンチャー」を指しています。
それは、これらの企業が成長業界に属しており、企業数も年々増加しているからです。
成長分野であるため、就職のチャンスが多く、また、IT系の経理業務を経験することで、転職前の経験を応用し、転職後もスムーズに業務に取り組むことができます。
さらに、IPO(新規株式公開)を目指している企業も多く、M&Aにより、大企業傘下になる可能性もあるので、企業成長の過程で、経理業務の経験を拡張でき、将来的なキャリアアップも期待できます。
なお、派遣社員などの非正規雇用にシフトして、会計事務所や大企業の経理アシスタントから入る選択肢もありますが、以下の理由から、既に一定のキャリアを積んできた30代後半〜40代以上の方には、お勧めできません。
- 大幅に給与が下がる
- 立場が不安定になる
- 正規雇用への復帰ハードルが高くなる
以上の理由から、未経験から経理職への転職を考える30代後半〜40代以上の方にとっては、
「非上場のIT系中小企業」は、魅力的な選択肢となる
という点は、是非、認識いただけると良いでしょう。
40代前後からの実務経験の積み方・補い方
未経験から経理職への転職を考える際、最も大きな課題となるのが
実務経験の不足
です。
この点は、特に30代後半〜40代以上の転職者にとって、大きなハードルとなることが多いです。
ここでは、他の情報ではあまり触れられていない、私自身の経験に基づいた、独自の対応策をご紹介します。
経理周辺の職種も応募対象にする(ズラし戦略)
実は、経理職そのものに応募するのではなく、まずは経理周辺の職務にシフトし、徐々に経理職に近づいていく
ズラし戦略
が非常に有効です。
これは、すぐにご自身が貢献できる、もしくは貢献できることを示せる職種に転職し、その職場で
「経理職または経理に近い職務を兼務させてほしい」と申し出る
という方法です。
この方法の詳細については、下記記事で整理していますので、是非こちらもご参照ください。
なぜ「ズラし戦略」が有効なのか
採用責任者の立場から考えると、40代前後の方を採用する際には、すぐに目に見える形での貢献が期待できることが重要です。
そのため、過去に実績のある職務で会社への貢献が見込めて、かつ、人柄やカルチャーがフィットしているのであれば、未経験ゆえにパフォーマンスが未知数な部分が含まれていたとしても、
チャレンジ精神のある人
として、ポジティブに受け止められます。
さらに、即戦力としての職務をこなすことで、現行の給与を維持、あるいはそれ以上を狙うことも十分に可能です。
「ズラし戦略」が有効な職種
例えば、営業職の経験がある方であれば、そのまま営業職に転職し、債権管理や請求処理などの業務を兼務することで、経理実務の一部を経験できます。
また、経営企画職は、管理部門の中でも事業部門からの転向が多い職種です。
そこで、経営企画に転職し、財務諸表の作成や会計システムへの入力データ作成などを兼務的にサポートすることで、経理実務の一部を経験することが可能です(ちなみに、私の経験上、経営企画が経理のサポートをすると、非常に喜ばれます)。
また、人事職や総務職も、経理とは異なり、簿記などの資格が求められないため、未経験からの転職ハードルが低いですが、給与計算や固定資産管理といった業務を通じて、経理実務の一部を直接経験できるため、転職先の候補として考える価値のある職種です。
こうすることで、直接、経理職に転職できなくても、経理実務の一部を徐々に経験できます。
「ズラし戦略」をとる上での留意点
この戦略をとる上で重要なことは、
経理業務を兼務したい意向を、採用面接の段階で必ず伝えておく
ことです。
私が人事担当として採用・配置を行っていた経験からも言えますが、採用された場合には、面接時の意向を踏まえてアサインされる可能性が高いです。
そのため、入社後に経理業務の兼務や、経理職への転向を申し出ても、後出し感がなく、スムーズに話が進みやすくなります。
とにかく、できるだけ早く、経理業務の一部、またはそれに近い業務を実務で経験することが重要です。
少しでも経験を積めれば、その実績を元に、次の転職で経理メインの職種を狙うことができますし、転職せずに、社内で徐々に経理メインにシフトしていくよう、異動希望を出すことも可能になります。
私も、経営企画や人事に従事しながら、徐々に経理実務に近い周辺の経験を積み、その経験が評価されて、最終的に経理担当としてのポジションを得ることができました。
その間、担当範囲が広がったこともあり、給与は下がるどころか、逆に上昇していきました。
また、経理だけにとどまらず、周辺業務も経験したことで、数字の背後にある事業実態を把握しやすくなり、経理業務をスムーズに遂行できたと感じています。
経理職への転職成功後も、このような多面的な経験は、大きなメリットとなります。
可能な限り事前の情報収集をする
経理未経験での転職を成功させるためには、事前の情報収集が非常に重要です。
泥臭い方法になるかもしれませんが、できる限りの手段を駆使して、転職に備えることが求められます。
以下に、具体的な情報収集の方法をいくつかご紹介します。
経理に従事している知人の話を聞く
まずは、経理経験のある知人に会い、様々な実務の実態をヒアリングすることが有効です。
誰にでも未経験の時期はあるので、従事し始めた時の苦労や、その対処法を聞くことは、とても参考になります。
また、事前に、会計システムの大まかな使い方や注意点を事前に知っておけば、実際に従事した際に、スムーズに対応できます。
無料版を使って会計ソフト・会計システムに慣れる
最低でも簿記3級を取得した後(可能であれば簿記2級まで取得した後)が良いですが、実際に会計ソフトや会計システムに触れてみることをお勧めします。
仕訳を入力した経験があると、実務にも不安なく、スムーズに入れるためです(私自身、会計システムは、特殊なシステムのイメージがあったので、初めて触るときは不安だらけでした…)。
会計システムは大きく分けて、インストール型とクラウド型があります。
現在は、クラウド型が主流になりつつありますが、実はインストール型も根強い人気がありますので、両方のタイプに触れておくと良いでしょう。
>> マネーフォワードクラウドを試したい方はこちら(公式サイト)
経理実務講座を受講する
実務習得を目的とした講座を受講するのも有効です。
オンラインで安価かつ手軽に学べるものとして、ジャスネットが提供する「経理実務の学校」が充実しています。
こうした講座を利用して、基礎から実務までをしっかりと学ぶことができます。
現職の経理部門の業務を観察する
最も身近な情報収集方法として、現職の経理担当者とコンタクトする機会や、資料を見せてもらう機会がある場合に、資料の保管方法などを質問してみることです。
機密情報のため、事業サイドの担当者ではアクセスできる範囲が限られることもありますが、例えば、顧客に発行する請求書などは、営業と経理が共通で管理する資料であることが多いです。
こうした文書が、どのように管理されているかをあらかじめ知っておくと、実務に入った時に役立ちます。
また、もし現在の職種が、総務などの管理部門内の職種ならば、既に機密情報にアクセスできる立場にいる可能性が高いです。
その場合は、会計システムを触らせてもらう機会を探り、給与の仕訳を代わりに入力するなどの経験を積むことも一つの方法です。
経理未経験者が取得必須の資格・有利な資格
未経験から経理職への転職を目指す際に、悩むポイントとして、
という点があるかと思います。
ここでは、どの資格が必要で、どの資格が有利に働くかについて解説します。
さらに詳細な内容は、こちらの記事で解説していますので、是非ご参照ください。
日商簿記2級は必須
結論から言うと、日商簿記2級があれば十分です。
特に、前述した非上場のIT系中小企業の経理職への転職を狙う場合、2級で全く問題ありません。
日商簿記2級では、製造業に必要な原価計算や、IT系企業で重要となるソフトウェアの原価計算について学べるため、経理未経験者が転職に挑む際に、必須の資格といえます。
※2級は、転職活動の開始前に取得しておきたいですが、時間的に難しければ、最低でも3級までは取得し、2級は勉強中、というステータスで転職を開始しても良いです。
但し、その場合は面接において、具体的な受験予定日を伝えられるようにし、説得力を高めましょう。
一方、日商簿記1級はオーバースペックになりがちです。
まず、中小企業で求められることは少ないです。
また、大企業の経理部門や、スタートアップのCFO候補を目指すのであれば、有益な面もありますが、一般的には、経理実務経験者向けの資格です。
そのため、未経験者が取得を目指す必要はありません。
簿記以外で役立つ資格
簿記以外にも、経理職への転職に効果がある資格としては、いずれも国家資格となりますが、「税理士試験」の科目合格(簿記論・財務諸表論)や、「中小企業診断士」が挙げられます。
税理士試験の科目合格(会計科目:簿記論・財務諸表論の合格)
税理士試験の会計科目である「簿記論」と「財務諸表論」は、実務に直結した知識が身につくため、合格しておくと、転職活動においても有利に働きます。
以前は、税理士試験の受験資格に、日商簿記1級か全経簿記上級の合格、または大学での「法律学又は 経済学」に属する科目の単位取得が必要でしたが、令和5年度から、「簿記論」と「財務諸表論」については受験資格が撤廃されたので、とても受験しやすくなっています。
税理士の会計科目に合格すれば、企業で求められる簿記や財務諸表作成に関わるほぼすべての知識を習得でき、実務で役立つスキルを身につけることができます。
一方で、原価計算の領域が含まれていないため、公認会計士ほど難易度が高くなく、仕事をしながらでも合格することが十分可能です。
私も仕事をしながら合格することができました。
中小企業診断士
「中小企業診断士」は、中小企業向けの経営コンサルタントとなるための国家資格です。
経理だけでなく、他のバックオフィス業務を含む幅広いビジネス知識を得られるため、経理職を目指しつつ、経営全般に強い人材としてアピールできる点が魅力です。
私もこの資格を取得して、経営企画職に従事しましたが、過去の経験を活かしつつ、経営視点で提案できるようになったため、40代前後の方にとって、年齢にふさわしい有用な資格だと実感しています。
これらの資格は、取得時期が転職後になっても遅くありません。
転職の面接の際に、「チャレンジを予定している」「勉強を始めている」と伝えるだけでも、採用担当者には、ポジティブな印象を与えることができます。
その他の資格(検定系)について
その他にも、「ビジネス会計検定」や「電子会計実務検定」など、様々な検定試験・資格がありますが、私が採用責任者を経験していた立場から言うと、国家資格レベルの難易度でない限りは、転職活動においてはあまり効果が期待できないことが多いです。
企業ごとに、実務の方法も異なるため、日商簿記2級を取得した後は、年齢も踏まえて早めに転職活動を始め、実務経験を積むことを優先したほうが得策です。
効果的な資格取得方針
以上を踏まえ、効果的な資格取得の方針として、以下の流れで進めることが望ましいです。
- 転職前に日商簿記2級を取得する
- 転職活動を行う
- 転職後、国家資格を勉強しながら実務に従事する
これにより、実務と資格のバランスを取ることができ、経理職への転職を成功させるための基盤を築くことができます。
資格取得にはオンライン講座がおすすめ
「スタディング」は、スキマ時間を利用してオンラインで、簿記だけでなく、税理士、中小企業診断士の国家資格の勉強ができ、費用も従前のスクール形式に比べて大幅に安価なため、オススメです。
私も大変お世話になりました。
特に、「理論暗記ツール」という「スタディング」でしか見たことのない暗記学習が効率的にできる独自ツールが提供されており、重宝しました。
簿記については、初心者から2級の合格を目指すのであれば、「3級・2級セットコース」が安価かつ効率的なのでオススメです。
日商簿記の2級と3級を同日に受験し、同時合格できた方は、私の同僚にもいましたので、決して無理ではないプランかと思います。
各講座の詳細については、以下のリンクからご確認ください。
経理未経験者に必要なスキル
未経験から経理職への転職を目指す際、転職前や入社前に準備できるスキルが数多くあります。
ここでは、私の経験上、重要だと感じた3つのスキルについて、ご紹介します。
必要となるスキルについては、さらに詳しく・網羅的に、下記記事で解説していますので、併せてご参照ください。
①Excel(エクセル)力
PCスキルの中でも、圧倒的に重要かつ必須なのが「Excel」(エクセル)のスキルです。
私が採用責任者として、経理担当者を採用した際も、Excelが得意であることを条件にしたことがあります。
「Googleスプレッドシート」でも良いのですが、これはネット接続環境下での利用が前提のため、処理速度が遅いことがあり、やはりスタンドアロンで使用できるExcelの方が優位です。
経理実務においては、Excelは、単なる表作成ツールではなく、データ処理に使うツールとしての役割が大きいです。
具体的には、会計システムへのインポートファイルの作成などに役立ちます。
大量の売上データを加工し、仕訳データの形に変換する作業などが該当します。
重要なのは、マクロや高度な関数を扱うスキルではなく、どの担当者にも引き継ぎできるデータ処理方法を設計する力です。
これは、テーブルの持ち方を工夫し、単純な関数の組み合わせで処理する方法になります。
マクロや難しい関数については、必要に応じてネットで調べたり、AIに質問したりすれば、使えるようになるのですが、単純な方法のみで処理するには工夫が必要なので、かえって難しかったりします。
こうしたスキルは、数多くのExcelワークを試行錯誤しながら行う過程で身につきます。
そのため、日頃から数字を扱う仕事があれば、「Excelで少しでも効率的にできないか」と考えて、データ処理をする習慣をつけることが有効です。
また、集計作業に必要な「ピボットテーブル」の基本操作方法はマスターしておきたいので(経理ではとても良く使います)、現状の業務で、積極的に使ってみる事をお勧めします。
②Webサービスの管理画面への慣れ
経理スキルとして語られることは少ないですが、意外と重要なのが、
Webサービスの管理画面に慣れること
です。
特に、IT系企業では、
- Amazon Web Services
- Apple Store
- Google Workspace
- Slack
などの海外のWebサービスを利用していることが多く、経理担当者がこれらの管理画面にアクセスし、請求書や領収書の情報を、経理証憑(会計処理の根拠資料)として取得することが求められます。
多くのサービスで類似した画面仕様が採用されているため、慣れてくると、新しいWebサービスでも直感的に操作できるようになります。
現職で、これらのサービスの管理画面へのアクセス権がない場合でも、ネット上で画像検索などすれば、管理画面の操作方法(経理証憑の取得方法)を把握できます。
転職先に入社する前に、その企業が使用しているサービスを事前に聞いておき、管理画面の仕様を調べておけば、効率的に予習できますので、是非実践してみてください。
③マニュアル作成能力
経理業務は、属人化しやすいため、マニュアル作成能力は非常に重要です。
特に、企業規模が大きくなったり、部下への引き継ぎが必要になったりした際、この能力が効果を発揮します。
部門内に、日頃からマニュアル作成に慣れている人がいるだけで、経理部門の組織力向上にも寄与します。
マニュアル作成には、「Googleドキュメント」や「Googleスプレッドシート」などのクラウド上で共有できるツールが使えれば問題ありません。
さらに高度なマニュアルを作成するには、「Notion」や「Googleサイト」など、社内Wikiの作成によく使われるツールを利用するのも良いでしょう。
これらのツールは、無料でも利用できるため、個人で試しに使ってみて、慣れておくことをお勧めします。
職務経歴書の書き方(40代前後・経理未経験者用)
職務経歴書は、転職活動において、重要な役割を果たします。
特に、未経験から経理職を目指す場合、職務経歴書にはできるだけ多くの情報を盛り込み、採用担当者に強い印象を与えることが求められます。
ここでは、効果的な職務経歴書の作成方法について、解説します。
さらに詳細な内容は、こちらの記事で具体的な例文も交えて解説していますので、是非ご参照ください。
①情報量を充実させる
まず、職務経歴書には、できるだけ多くの情報を盛り込みましょう。
この人材獲得難の時代では、採用担当者も必死なので、4〜5ページ程度までのボリュームであれば、しっかり目を通してくれます。
但し、しっかり読み込むというよりは、自社が求めるスキルが書かれているか、をキーワードレベルでサーチするイメージです。
そのため、重要なのは、
経理職に関連するキーワードを適切に配置すること
です。
例えば、Excelや売上管理、債権回収といった、現職務において、できるだけ経理に関連しそうな業務経験を明記します。
また、年齢の高さも考慮して、マネジメント経験がある場合には、必ず触れるようにしましょう。
これらのキーワードが職務経歴書に含まれていることで、採用担当者の目に留まりやすくなります。
②キャリアチェンジのエピソードを強調する
未経験からの経理職への転職では、これまでの職歴で、職種や環境の変化にどのように適応してきたか、をアピールすることが重要です。
例えば、営業職で15年など、1職種での経験が長いと、「やっぱり営業の方が良かった」となって早期退職されてしまうのでは、と懸念を抱かれやすいです。
そのため、これまでのキャリアで、何かしらの業務上の変化があったはずなので、その変化イベントを際立たせて、その際にどう工夫しながら対応したか?を書くようにしましょう。
これにより、柔軟性や適応力を採用担当者に示すことができ、書類選考を通過する確率が高まります。
③経営数字や計数管理にまつわる実績をアピールする
これまでの職務で、経営数字(売上や費用)を正確に管理し、意思決定に影響を与えた経験があれば、強調して記載しましょう。
例えば、売上データの集計やコスト管理の経験、エラーチェックと訂正の事例などを具体的に記載することで、数字を扱う業務に対する適性をアピールできます。
経理職では、数字に強い人材が求められるため、これらの実績を明確に示すことが重要です。
④専門家の力を借りる
経理経験や採用経験のある専門家に、作成代行や添削を依頼するのも一つの手です。
例えば、「ココナラ」というスキルシェアのプラットフォームには、多くの専門家が登録しており、自身の職務経歴や強みを伝えることで、採用担当者に刺さる内容を、ライティングしてもらうことができます。
第三者の目線も反映した効果的な職務経歴書を作成でき、安心して応募先企業に書類提出できるようになるので、とても有り難いサービスです。
職務経歴書の作成に不安がある方や、十分な時間が取れない方などは、是非、登録して活用される事をお勧めします。
面接対策(40代前後・経理未経験者の志望動機の伝え方)
未経験者の面接において、特に重視されるポイントの一つが、経理職への転向を志望する動機です。
ここでは、本音の動機はさておき、転職活動において、好意的に受け止められる「外向け」の志望動機の作り方について、解説します。
さらに詳しい志望動機の作り方や、具体的な面接対策については、下記記事で、詳しい例文も交えて解説していますので、併せて参照頂ければと思います。
①具体的なエピソードを盛り込む
「経理に興味がある」といった一般的な理由だけでは、採用担当者にとっては不十分です。
志望動機には、これまでの職務経験を踏まえた具体的なエピソードを盛り込みましょう。
例えば、
営業職での売上管理や予算管理の経験を通じて、数字の重要性に気づき、経理業務に興味を持った。
という流れを伝えることが考えられます。
こうした具体的な経験に基づくエピソードは、採用担当者に「この人は本気で経理を目指している」と感じさせる効果があります。
②キャリア拡張と会社への貢献の両方を示す
志望動機には、自身のキャリア拡張と、会社への貢献の両面を含めることが大切です。
例えば、
これまでの●●や▲▲の職務経験で培った、問題解決能力やコミュニケーションスキルを活かし、経理業務に新たな視点や効率改善をもたらしたいと考えている。
といった具体的な意欲を示すのが効果的です。
単に「経理のキャリアを得たい」というやや自己中心的に映る動機ではなく、企業の一員として共に成長し、貢献したい、という姿勢が伝わるようにすることで、面接官に好印象を与えることができます。
③企業の事業内容や経営理念への共感を伝える
志望動機には、応募先企業の事業内容や経営理念への共感を含めることも重要です。
経理業務は、企業の商流や事業内容に深く関わるため、応募先企業の事業内容や経営理念を理解し、共感している姿勢を示すことで、「この会社だからこそ経理をやりたい」という強い意志を伝えることができます。
例えば、応募先企業のサービスや製品を日常的に使用しており、その企業の経営に関与したいと感じたことを伝えれば、採用担当者にとって説得力のある志望動機となります。
意外と自社のサービスを使っていない社員は多いものなので、
サービスのファンである(ユーザーである)
という時点で、相対的に印象が良くなり、面接官に対して「この人は本当にこの会社で働きたいと思っている」と感じてもらいやすくなります。
40代前後・未経験者の転職サービスの選び方
転職サービスには、大きく分けて転職エージェントと転職サイトの2つがありますが、未経験者の場合には、企業のバックオフィス部門や経理部門に関する知識不足を補う必要性から、情報収集しやすい転職エージェントの利用がお勧めです。
但し、転職サイトであっても、情報収集しやすい仕組みが用意されているサービスもあるため、自分のペースで進めたい方には、転職サイトも選択肢になります。
以下では、この2つのサービスの活用法についてご紹介します。
転職エージェントの選び方
経理に関する転職エージェントには、大きく分けて、
の2種類があります。
どちらを選ぶべきか、迷うかもしれませんが、結論としては、両方に登録しておくことをお勧めします。
理由は、両方のメリットを最大限に享受できるためです。
総合型エージェントのメリット
総合型エージェントの最大のメリットは、求人数が非常に多いことです。
前述の「ズラし戦略」を活用する場合、経理以外の職種から経理兼務を狙える求人も豊富に取り扱っています。
幅広い選択肢を持つことで、キャリアチェンジの可能性を広げることができます。
特化型エージェントのメリット
一方、特化型エージェントは、経理部門や管理部門に特化しており、各求人に関して、より詳細な情報を持っています。
私が採用責任者をしていた経験からも分かるのですが、特化型エージェントは、企業と定期的にコンタクトを取り、人材ニーズを探っています。
また、企業が募集を出していなくても、「こんな良い方がいるけど、採用しませんか?」という形で、企業に対し、プッシュ型で転職希望者の提案(※)を行っています(実際、この提案がタイミングよくニーズとマッチした、ということもありました)。
(※)当然ながら、個人情報は秘匿化されており、また求職者本人の同意の上での提案が前提となります。
そのため、各企業の経理部門の実情(リアルタイムの人材需要)に詳しいので、経理部門に入りたいと考えている方にとっては、非常に有益なエージェントです。
エージェント登録の際の注意点
エージェントに登録すると、次々に募集情報が届き、転職を急かされる印象を受けることがあります。
しかし、30代後半〜40代以上という年齢を踏まえると、ある程度のスピード感を持って進めることが重要です。
適切なエージェントに登録し、積極的に情報を受け取ることで、より良い転職先を見つけるチャンスが広がります。
登録するエージェントの数は、以下4つの類型から総合型2つ、特化型2つ程度を選択すると、ハンドリングしやすいです。
- 総合型エージェント
- ①:30代後半〜40代以上向け ハイクラス型(高年収前提)のエージェント
- ②:求人件数の多さ重視の総合型エージェント
- 特化型エージェント
- ③:バックオフィス部門全般に強いエージェント
- ④:経理部門に強いエージェント
年齢や現年収の水準に応じて、総合型エージェントのうち1つは、ハイクラス型(高年収前提)のエージェントにするのが良いでしょう。
おすすめの転職エージェント
以下に、是非登録しておきたい、各領域でNo.1の実績を誇る転職エージェントをご紹介します。
この中のいずれかのエージェントに登録しておけば、間違いないです。
私の転職活動の際にも活用させて頂き、実際にこの中の複数社を経由して、内定を獲得できました。
転職サイトの選び方
転職サイトに登録し、完全に自分のペースで転職活動を進めたい場合は、
【Green(グリーン)】がオススメ
です。
Greenは、IT/WEB業界の求人がメインであり、累計登録ユーザーが130万人以上、累計導入企業数も10,000社以上と、業界最大級の規模を誇ります。
私自身、求職者側としても、ITベンチャーの採用担当として求人掲載する側としても、転職サイトはGreenを活用していました。
オススメする理由は、3点あります。
- IT/WEB業界かつバックオフィスの求人が多い事
- スタートアップやITベンチャーを含めたIT/WEB業界の求人が非常に多い中で、エンジニアやマーケティングなど、事業サイドの職種だけでなく、経理、人事、経営企画など、バックオフィス職種の求人も豊富にあります。
- つまり、本記事でお勧めしている「中小規模のITベンチャー企業への転職」を目指す上で、最適な転職サイトと言えます。
- 40代以上の採用実績も多い事
- 私自身、求職者として40代になってからGreen経由で内定獲得した実績があります。
- 採用担当者としても、Green経由で優秀な40代の方を複数名採用できた実績もあります。そのため、年齢が高めの方にも非常に有効な転職サイトです。
- カジュアル面談の促進機能がある事
- 希望職種、企業規模、未経験歓迎、などの条件で簡単に検索できるユーザビリティの高さに加え、求職者と求人者(企業側)が、「気になる」というライトな連絡を送り合う機能があり、それをきっかけに、正式選考前のカジュアル面談をする機会を作れる点が、とても便利です。
上記のメリットから、Greenは、年齢が高めで、成長業界のバックオフィスに転職を目指す方にとって、登録して損しない転職サイトなので、自分のペースで進めたい方は、是非登録しておきましょう。
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エージェントが介在しない情報面での不足を、カジュアル面談を積極活用することで補うことができるので、ミスマッチを減らしながら、納得行く転職活動を進められますよ。
30代後半・40代以上で未経験から経理に転職する戦略 -まとめ-
主に30代後半〜40代以上で、未経験からの経理に転職する際に最適と考える包括的な戦略を、私自身の経験も踏まえて、ご紹介しました。
決して簡単ではありませんが、ご自身の過去の経歴や強みを最大限に活かし、戦略的に取り組むことで、成功の可能性を大きく引き上げることができます。
転職活動をすること自体に、全くリスクはありませんので、是非、諦めずにチャレンジされることをお勧めします!
皆さんの転職活動のご参考になれば幸いです。
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