経理は頭がおかしくなるって聞いたことがあるけど、本当なの?
未経験で経理に転職を考えているけど、不安だな。。
経理職への転職を考えている方の中には、「経理は頭おかしくなる」といった噂に、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
私自身も、アラフォーで未経験の状態から経理職に転職を決意したとき、同様の不安を抱いていました。
数字を扱う仕事の難しさや、1円単位でのミスが許されないプレッシャーなど、さまざまな心配が頭をよぎったのを覚えています。
その後、経理職としての経験を積み、管理部長 兼 採用責任者として、経理未経験者の採用にも携わりながら、経理の現場に長く従事してました。
この記事では、そうした私自身の経験も踏まえ、経理職に対する「頭おかしくなる」という噂の真相や、それに対する具体的な対策をご紹介します。
経理職の実態を知り、自信を持って転職に臨むための一助となれば幸いです。
是非ご参考にしてください。
「経理は頭おかしくなる」と言われる実態
- 「経理は頭おかしくなる」という実際の声を徹底調査
- 自分の実体験:経理で頭おかしくなる状況はあったか?
- 経理が「頭おかしい」状態になるのを回避する対処法3つ
「経理は頭おかしくなる」という実際の声を徹底調査
SNSや口コミなどを調査したところ、「経理は頭おかしくなる」と感じる理由には、以下の5つがありました。
- 数字を扱い続ける仕事が嫌いで難しいので、辞めたい
- 1円単位で合わせる必要があり、ミスが許されない
- 締切りがある決算時期はとても忙しい
- インボイス制度など国の制度変更の影響で、仕事が多すぎる
- 経理の担当者には変な人が多い
以降で、その具体的な内容を紹介していきます。
①:数字を扱い続ける仕事が嫌いで難しいので、辞めたい
経理の仕事では、日々多くの数字を扱う必要があるので、数字に対する苦手意識を持つ人にとっては、苦痛に感じるという意見が見られました。
しかし、反対に数字を扱うことに喜びを感じる人もいます。
私がいた経理部門の同僚にも、そういう方々が多かったです。
そのため、経理の業務が向いているかどうかは、数字の好き・嫌いに大きく依存していると言えそうです。
②:1円単位で合わせる必要があり、ミスが許されない
経理はお金を扱う仕事であり、特に1円単位での正確な帳簿管理が求められます。
1円でもずれが生じると、その原因を徹底的に調査し、解決する必要があるため、精神的な負担を感じる意見が見られました。
③:締切りがある決算時期はとても忙しい
経理業務は、毎月の月次決算、四半期決算、年度決算など、一定の締切りがあります。
これにより、締切り前は業務が非常に忙しくなるので、ストレスを感じている様子がうかがえます。
④:インボイス制度など国の制度変更の影響で、仕事が多すぎる
近年ではインボイス制度や定額減税の導入など、国の制度変更が経理業務に大きな影響を与えています。
新たな制度に対応するための業務負荷が増加し、これを苦痛に感じているコメントも見られました。
⑤:経理の担当者には変な人が多い
少数意見ですが、「経理担当者には変な人が多い」という声も見られました。
人柄の受け止め方は人それぞれであり、また、原因が経理という職種自体にあるのかも不透明ですが、一部にそのような意見もあるようです。
なお、私の経験では、特に変わった人が多いという印象はなく、むしろ几帳面で真面目な人が多い認識でした。
自分の実体験:経理で頭おかしくなる状況はあったか?
私は、これまで4つの経理現場で働いてきました。
その経験に基づくと、確かに「忙しくて大変」という状況はありましたが、同僚が「頭がおかしくなる」と言っている場面には、出くわしたことがありません。
私自身も、そのような感覚を持った事はありませんでした。
恐らく、このような違いが生まれる大きな要因は、
「自分の意志で経理職に就いたかどうか」
にあると考えます。
前述の口コミで見られる多くの意見は、意図せずに経理に配属されたり、本来やりたいと思っている仕事をしながら経理を兼務しているケースが多いと考えられます。
そのような状況であれば、確かにストレスが増大し、「頭がおかしくなる」と感じることもあるでしょう。
一方で、私自身や過去の同僚は、すべて中途採用で経理として採用され、自ら経理の仕事に就くことを望んで転職した人たちでした。
自分の意思で選んだ仕事であれば、困難な状況に直面しても、耐えたり乗り越えたりするためのモチベーションを維持しやすく、精神的な負担も軽減されると考えられます。
この記事を読んでいる方々も、未経験で経理に転職したいと考えているならば、その時点で、すでに「頭がおかしくなりにくい」条件をクリアしていますので、是非、自信を持って経理職を目指して頂ければと思います。
経理が「頭おかしい」状態になるのを回避する対処法3つ
前述のような意見を聞くと、これから経理職を目指そうとする方は、不安に感じられたかもしれません。
そこで、ここでは頭がおかしい状態になるのを回避するために有効な、3つの対処法をご紹介します。
これらの対処法を取り入れることで、精神的な負担を軽減し、経理の仕事をより快適に続けられるようになるでしょう。
① 慣れるまで時間のかかる職種のため、1年間は続けてみる
1つ目の対処法は、経理の仕事を1年間は続けてみることです。
その理由は、経理の業務は、1年を通じて一巡するためです。
経理の仕事は、大きく分けると以下の3つに分類できます。
1年間が経過すると、1年単位の業務はまだ1回しか経験していないかもしれませんが、1ヶ月単位や3ヶ月単位の業務は複数回、経験することになります。
この繰り返しによって、業務に対する理解とスキルが自然と向上し、慣れてくるはずです。
そもそも、未経験から経理に転職する場合、経理の仕事に加えて、転職先の事業内容や職場環境にも慣れていない状況です。
そのため、最初のうちは苦労するのは当然のことです。
しかし、1年経てば事業に対する理解が深まり、例えば、毎月同じ取引先から来る請求書や領収書を見ただけで、取引の特性や金額など、把握すべき情報をすぐにキャッチできるようになります。
【実体験】さらに、経理資料の保管方法や、社内で不明点を誰に尋ねるべきか、といったノウハウも自然と身に付いて、仕事がスムーズに進められるようになるので、1年経つと不安やストレスはかなり軽減されるよ!
② 期日に間に合うよう、着手可能な業務を早めに終わらせる段取を組む
対処法の2つ目は、前倒せる業務は早めに完了させるよう、スケジュールを組むことです。
経理の仕事は、月単位で業務の締切に追われることが多く、特に月次決算や出納(支払い、納税など)に関わる業務の多くは、1ヶ月が締まらなければ着手できません。
そのため、どうしても業務の期限がタイトになり、精神的な負担が増える傾向にあります。
しかし、何ヶ月間か経理の業務を経験すると、毎月の業務の流れがつかめてくるので、どの業務なら1ヶ月が締まる前に先行して着手できるか、が見えてきます。
この見通しを元に、可能な限り先手を打って業務を進めるよう、スケジュールを組むのです。
これにより、業務負荷が平準化され、空いた時間を、新しい法令に向けた対応にも当てられようになるので、「頭がおかしくなる」と感じるほどの切迫感から解放され、仕事を続けやすくなるでしょう。
③ ケアレスミスを防ぐための工夫をする
3つ目の対処法は、自らの業務の中に、ミスを防ぐ仕組みを作ることです。
経理の仕事では、細かなケアレスミスが発生しがちですが、工夫次第で、最小限に抑えることができます。
例えば、以下のような具体的な方法を取り入れることで、ミスの発生を防ぎ、安心して業務に取り組めるようになります。
より詳細なケアレスミスの防止策については、別の記事で具体的に解説していますので、そちらもご参照ください。
更に、業務に慣れてきたら、社内の業務フローそのものに、ミスが発生しやすい箇所があることに気付くこともあります。
その場合は、業務フローの改善を提案し、ミスの起こりにくい環境を整えることが大切です。
「経理は頭おかしくなる」と聞いて不安に思う方へのQ&A
ここまでにご紹介した対策を意識し、自ら望んで経理にキャリアチェンジしようとする方であれば、「頭がおかしくなる」と感じるリスクは、大きく減らせるでしょう。
しかし、未経験で経理を目指す方にとって、不安が完全に消えるわけではありません。
そこで以降では、未経験者が特に不安に感じやすいポイントについて、Q&A形式で解説します。
- Q1:経理職には何年で慣れるようになるか?
- Q2:どんな人が経理に向いているか?
- Q3:経理の仕事で大変なことは何か?
- Q4:経理担当者が大変な時期はいつか?
- Q5:経理担当者として、一番大事なことは何か?
- Q6:「おっちょこちょい」だと経理になれないのか?
- Q7:経理は「頭いい人」しかなれないのか?
- Q8:経理をやっていて「むかつく」ことは何か?
- 自信を持って経理を目指そう!
Q1:経理職には何年で慣れるようになるか?
「慣れる」という言葉の定義次第ですが、「嫌気が無くなり、不安が小さくなる」という意味で考えた場合、1年が目安となります。
最初は慣れないことばかりで、辛いと感じることもあるかもしれませんが、1年間続けることで、多くの業務を経験し、かなり心境が変わっていると期待されます。
一方で、「上達・熟練して、転職時にも高く評価されるレベルになる」と定義した場合は、おおよそ3年と考えられます。
3年間、経理業務を続けると、1年単位の業務を3回経験しているので、採用担当者からも評価されやすくなり、転職市場での価値が上がる目安となります。
Q2:どんな人が経理に向いているか?
経理に向いている人の特徴は多くありますが、最も重要な要素の1つを挙げるとすれば、
「数字が好きであること」
です。
数字に対して興味や関心を持ち、楽しんで取り組める人は、経理の業務に向いていると言えます。
逆に、数字が嫌いな人は、経理に向いているとは言えないかもしれません。
しかし、ビジネスの世界では、数字を扱う能力は必須です。
経理以外の職種を選択する場合でも、数字に対して前向きな意識を持ち、日頃から数字と積極的に向き合うよう心がける事が重要です。
Q3:経理の仕事で大変なことは何か?
経理の仕事における大変な点は、大きく以下2つあります。
- 期日がタイトであること
- 最終的には1円単位で間違いなく処理する必要があること
期日がタイトである点について
経理の業務は、1ヶ月の中で特定の期間にしか行えない作業があり、それを期日までに終わらせる必要があります。
このため、どうしても締切がタイトになりがちです。
但し、前述のとおり、事前に準備できる業務を整理した上で、前倒しかつ計画的に進めることで、タイトさを十分軽減することが可能です。
1円単位での処理の厳密さについて
経理処理において、ミスの発生自体が絶対に許されない訳ではありませんが、最終的には、関連部門内の様々な人のチェックを経て、原則、1円単位で正確な状態にする必要があります。
このためには「不明な状態をなくすこと」が前提となり、原因不明の金額の不整合があった場合は、原則として、原因が判明するまで追求する必要があります。
この点が非常に大変で、精神的な負担も大きくなりやすいのですが、これも前述した通り、日頃からケアレスミスを防ぐ仕組みを入れておくことで、可能な限り回避することができます。
Q4:経理担当者が大変な時期はいつか?
経理担当者にとって特に忙しい時期は、会社の決算スケジュールに依存します。
3月決算の会社を例にとると、以下の時期が大変な時期とされます。
Q5:経理担当者として、一番大事なことは何か?
経理担当者として、最も大切なことは、責任感です。
これは、経理が、会社のお金の流れに関わる最後の砦となる仕事であるためです。
ミスの発生自体は、誰にでも起こり得るものです。
もちろんミスは少ないほうが望ましいですが、一定数のミス発生は避けられません。
そこで重要なのは、ミスが発覚した際に、自分の責任であることを率直に認め、
すぐに上司や関係者に報告すること
です。
報告を遅らせてしまうと、事態がさらに悪化するリスクが高まります。
また、ミスが発生した場合は、自ら修正や善後策を講じるとともに、同様の問題が再発しないように、業務フローの改善にも積極的に取り組むことが重要です。
このような行動は、結果として信頼を得ることにつながり、かえって評価が上がることも期待できます。
Q6:「おっちょこちょい」だと経理になれないのか?
おっちょこちょいな面があっても、経理になることは可能です。
誰にでも不注意な面はあり、むしろ自分でそれを認識していることは、良い点とも言えます。
大切なのは、常に「自分はミスをする可能性がある」という意識を持ち、それを防ぐためにチェックの仕組みを整えたり、業務フローを改善する心がけができるかどうかです。
なお、経理業務では、不正や誤りを防ぐために内部統制が重視されており、企業には必ず複数人でのチェック体制を整えることが求められます。
このような体制があるため、ミスが生じた場合でも、個人に過度な責任が集中することは、まずありません。
Q7:経理は「頭いい人」しかなれないのか?
頭が良い人しか経理になれない、という事はありません。
経理の適性において重要なのは、数字が好きであることと責任感です。
前述のとおり、数字への興味や誠実さがあれば、経理の仕事に向いている可能性が高く、頭の良し悪しは、経理において最重要ではありません。
Q8:経理をやっていて「むかつく」ことは何か?
「むかつく」と感じることは人によりますが、一般的には、経理部門が「稼いでいない部門だから」という理由で、他部門よりも尊重されない対応を受けると、経理担当者は、不快に感じることが多いでしょう。
本来、経理は会社運営に不可欠な部門であり、簿記などの資格に裏打ちされた専門スキルを持つ職務です。
こうした業務を司るに経理部門に対して、リスペクトを持って接する事ができる企業風土の方が、経理担当者としては、働きやすいと感じるでしょう。
そのため、転職活動の際には、経理の存在意義を認め、その役割を尊重する社風か否か、確認することが重要になります。
自信を持って経理を目指そう!
前述のとおり、自らの意思で、経理への転職を目指している時点で、既に経理職に対して一定の適性があると言えます。
経理は汎用性の高いスキルであり、どの会社でも通用します。
また、管理部門のトップを目指す場合には、経理の経験は欠かせません。
そのため、経理職に従事することはキャリア上の大きなメリットになります。
ですので、ぜひ自信を持って経理を目指しましょう!
転職エージェントを活用する
転職活動を進める際には、管理部門や経理職に特化した転職エージェントの活用が非常に有効です。
特化型エージェントは、応募先企業の管理部門や経理部門の実情に詳しく、社内での経理部門の位置づけや、リスペクトされている社風か否かも、事前に確認できる場合があります。
以下に、おすすめの特化型転職エージェントを紹介しますので、ぜひ登録して、効果的な情報収集を行いながら転職活動を進めましょう。
転職サイトならカジュアル面談ができるGreenがオススメ
完全に自分のペースで転職活動を進めたい場合は、転職サイト【Green(グリーン)】に登録することをお勧めします。
Greenは、成長業界であるIT/WEB業界の求人が、業界最大級の規模で豊富にあり、かつその中で、経理、人事、経営企画などのバックオフィス職種の求人も多数揃っている点が大きな魅力です。
私自身、求職者としても、ITベンチャーの採用担当者としても、Greenを活用してきました。
Greenでは、求職者と企業側が「気になる」機能を利用して気軽に連絡を取り合い、それをきっかけにカジュアル面談を行うことができ、大変便利です。
Greenは、気軽に登録して損のない転職サイトですので、ぜひ利用してみてください。
>>【Green(グリーン)】の公式サイトはこちら
カジュアル面談を通じて、正式な選考前に、企業の雰囲気や仕事内容を知ることができ、ミスマッチを減らしながら納得のいく転職活動を進められますよ!
「経理は頭おかしくなる」と言われる事の真相について総括
本記事のポイントを以下にまとめます。
本記事が、皆さんの転職活動のご参考になれば幸いです。
コメント